じょぼじょぼじょぼこぽこぽ……。カラカラカラ、ジャー。今日も体の中の一部が私から離れていく。さようなら要らないものよ。腎臓よ、ありがとう。私は元気です。
借金はいくらほど少なくなっただろう。借金を返すために働く。うん、何度聞いてもなんてすばらしい労働条件だろう。生きていくために働くなんておっくうだ。借金を返す。なんて簡潔でシンプルな答え。
「好きよ、好きなの、好きなのよ」
「わかったよ、じゃ、ここにサインと印鑑」
そうして愛に生きてきたら、借金だけが残されていた。私を生かすのはこの借金に違いない。ああ、この借金をすべて返してしまったらどうしよう。私はどうして生きていこう。とても、愛しい、彼との恋の記憶。きっと借金が無くなる頃には私の体から要らないものは出尽くしてしまって、干からびてしまうのだ。そうして、命を終えるのだろう。
じょぼじょぼじょぼ……。ジャー。さあどんどん出ていけ私の要らないものよ。私は、元気です。